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2010.07.01

リボン刺しゅうの作品展

リボン刺しゅうをご覧になったことがありますか?
4ミリから15ミリほどの細いリボンを使って
刺しゅうする技法で、
ふつうの刺しゅう糸で刺すよりも立体感のあるもの。
グラデーションになったリボンのほか、
色や素材、幅も豊富なので、
アイデア次第でいろいろな表現が楽しめます。

6月29日より7月3日まで開催されている
リボン刺しゅうの作品展
Ribbon Artistry作品展2010に伺ってみました。

今回の作品展は、リボン刺しゅうの第一人者ともいえる
小倉ゆき子さんの花の図案18点を題材に、
MOKUBAのリボンアーティストリーインストラクター58人の方が
ブラウスや、バッグ、日傘など、
思い思いのものに、リボン刺しゅうをしたものを展示。
同じ図案でも刺すものや、
図案の置き方、選んだリボンによって、
個性ある作品に仕上がっていました。
リボン刺しゅうで生命を吹き込まれた作品は、
この世にたったひとつしか存在しない宝物になります。

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この花の図案は、
そもそも15年ほど前に、シカゴで行われたクラフトショウに出すため
リボンメーカーのMOKUBAさんの依頼によって作られたものだとか。
最初は、ひとつひとつ、布に作品を刺していたのですが、
展示するということになって、
50の花の図案を一枚の布に刺してほしいとお願いされたといいます。

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刺した布は、別珍で、毛足のあるもの。
刺しゅうをされた方ならおわかりのように
図案を写した紙を布にのせると
いろいろな方向にずれてしまい、
ひとつの図案ならまだしも
50もの図案をいっぺんにのせるのは、
とても難しいことですとお知らせしたら、
「難しいことだからやってください」
と当時のMOKUBAの社長さんに
依頼されたというエピソードがあるそう。

「製作期間も2週間と短かったので、
花の図鑑を見ながら、
布に直接リボン刺しゅうをしないと間に合わなかった」
と小倉ゆき子さん。
50もの図案は一枚の布に刺しゅうできないので、
ふたつに分けて制作開始。
「一枚目が終わったかと思ったら、
新製品のリボンができたので、
もう一枚はそのリボンを使って刺したので,
左の作品の方がカラフルでしょ」
と、当時のことを話してくださいました。

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リボンの色が一番きれいに見えるという
茶色の別珍に挿された50種類の花の作品は、
今回の作品展でも展示されていて、
それは圧巻です。

日本橋の小津ギャラリー2階で7月3日まで、開催されています。
1階は和紙のお店、2階には和紙博物館もありますので、ぜひご覧下さい。

日本橋 小津ギャラリー
東京都中央区日本橋本町3-6-2小津本館ビル
TEL.03-3662-1184

編集部M.M.