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2013.01.31

vol.36 (2)ハンガリアン・ウォーターとクリーム

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前回の「ハンガリアン・ウォーター」の作り方に
引き続きまして、

今回はハンガリアン・ウォーターを使った
クリームの作り方をご紹介したいと思います。


ハンガリアン・ウォーターを
そのまま塗布したり、
キャリアオイル(マッサージ用の植物性油)に混ぜてすり込んだりと、
色々な方法があるかと思います。

オイルを肌に使用することに馴染みがない方、
もしくはベタベタしてTPOによっては使用できない場合には、

クリームにして取り入れるのは、
とても容易で手軽なのではないかと思います。

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ビーズワックス(ミツロウ)とキャリアオイルを溶かして作る
基本のクリームに、

このハンガリアン・ウォーターを混ぜ、
さらにリウマチに効果があるとされる精油を垂らすことで、

オリジナルな
薬用バームならぬ、薬用クリームが出来上がります。

病で不快な症状が和らぐことを祈って作るクリームは、
きっと病気ご本人だけでなく、
作らせて頂く側をも共に癒すような

特別な物になることでしょう。


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● ハンガリアン・クリームの作り方

【 材料 】

 ・キャリアオイル(スイートアーモンドオイルなど):15 ml
  (今回私は、神経痛、関節炎などに効果のある手作りの浸出油、
  St,John's wort Infused oil を使いました。/作り方は、一番下を参照の程)

 ・粒状ビーズワックス(ミツロウ):3g

 ・シアバター:2g

 ・ハンガリアン・ウォーター:5ml

 ・精油:6滴以内
  
  ☞ リウマチに効果があるのは、ローズマリー、ペパーミント、オウシュウアカマツ(パイン)、
    ラヴェンダー、ジュニパー、マジョラムなど。

 ・約30ml〜40ml 容量のクリーム容器


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左/シアバター。シアーバターノキの種子の胚から得られる 植物性脂肪。(美容、火傷、筋肉痛、リウマチに) 
右/ビーズワックス。




【 作り方 】
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 1)鍋かオイルウォーマーに湯を沸かし、
  その中にセットしたビーカーに、分量の
  キャリアオイル、ビーズワックスを入れ、
  湯煎して溶かす。
  時々、ガラス棒や竹串で混ぜる。
  (鍋湯煎の方が、各段に時間は短縮できる)

  2)分量のハンガリアン・ウォーターは、
  ビーカーなどに入れて火のそばに
  置いて温めておく。

  3)1が溶け始めたら、ハンガリアン・
  ウォーターを少しずつ注ぎ、混ぜる。
  (一気に注ぐと、温度が下がって
  固まってしまう)

  4)よく溶けたのを確認したら、火から
  おろして粗熱をとり、容器に入れる。
  中の空気を抜くため、容器をテーブ
  ルに軽く打ち付ける。


  5)表面にうっすら膜ができ、ふちの部分が固まり始めたら、
   精油を加えて竹串でよく混ぜ、また空気を抜く。

  6)完全に冷めたら蓋をして出来上がり。


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☞ シアバターを入れない場合は、オイル20ml、ビーズワックス3g の分量で作る。

☞ ハンガリアン・ウォーターが'用意できない場合、
  リウマチ、関節炎のクリームには、ローズマリーティンクチャーなど代用できる。

  手荒れ、湿疹などにはカモミールやラヴェンダーティンクチャー、
  美容用にはローズティンクチャーなども代用できる。

☞ 湿疹や手荒れなどをケアしたい場合は、
  キャリアオイルに、カレンデュラオイル(浸出油)を使用するのもよい。


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● St,John's wort Infused Oil(セントジョーンズワート浸出油)作り方

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【 材料 】

 ・ドライのセントジョーンズワート:10g

 ・オリーブオイル:100〜150ml
 (ハーブが油を吸うので、
  足りないようであれば
  適当に足していく)

  ☞ セントジョーンズワートに関しては、
    伝統的にオリーブオイルを使用する。

 ・約200ml のガラス容器

 ・約150 の保存用遮光瓶


【 作り方 】

 1)消毒したガラス容器にセントジョーンズワートを入れ、
   オリーブオイルを注いでいく。

 2)しっかり蓋をし、日当りのいい場所に最低2週間置き、
   その間、一日一回は瓶をゆすってあげる。

 3)コットン製の茶漉しフィルターなどでハーブを漉して絞り、
   保存用遮光瓶に詰め替える。
   冷暗所で3か月〜半年保管できる。

  ☞ セントジョーンズワートは、光過敏性反応のおそれがある為、
    日中に多使用するのは避ける。又、妊娠、授乳中の多量使用も避ける。


 
  

   

プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。