工芸未来派
◆内容紹介
アート化する新しい工芸
工芸か? 現代アートか?
いま、工芸の世界に新しい潮流が流れている。名付けて、「未来工芸派」。
「未来工芸派」50人の工芸作家の作品をジャンル別に紹介。
2012年4月から8月まで、金沢21世紀美術館で開かれた「工芸未来派」展には、多くの美術ファン、工芸ファンが集まりました。当美術館では、2009年、2010年と現代の工芸に焦点をあてた展覧会「世界トリエンナーレ」も開催され、新しい工芸の展示は新風を巻き起こし、双方とも好評を博したといいます。また、金沢市では1995年の「世界工芸都市宣言」以降、世界の「工芸的なるもの」の可能性を模索し続けています。
著者は、工芸が、新たな美術動向、トレンドを示し、さらには未来を語る表現物と捉えて、そうした作品をつくり続けている50人の工芸作家を選び、その作品を紹介しています。
本書は、変化を続ける現代の社会状況や社会現象のなか、従来の「工芸」に収まりきらなくなった「工芸」を、美術のなかの新しいジャンルと位置づけ、そうした「工芸未来派」の全貌を紹介する、最初の「新しい工芸」本。
◇秋元雄史(あきもと ゆうじ)
東京藝術大学大学美術館館長・教授/ 金沢21世紀美術館館長
1955年東京都生まれ。東京芸術大学美術学部絵画科卒業後、1991年よりベネッセアートサイト直島のアートプロジェクトに関わる。2004年より地中美術館館長、ベネッセアートサイト直島・アーティスティックディレクターを兼務。 2007年より金沢21世紀美術館館長。 「金沢アートプラットホーム2008」、「金沢・世界工芸トリエンナーレ」、「工芸未来派」等を開催。2013年4月~2015年3月東京藝術大学客員教授、2013年4月~秋田公立美術大学客員教授も務める。2015年より東京藝術大学大学美術館館長・教授を兼務。
≪コンテンツ≫
序文 工芸未来派 表現する工芸について
1章 陶磁(立体系、絵画系、伝統再解釈系、ポップクラフト)
立体系:青木克世/猪倉高志/小笠原 森/金 理有/桑田卓郎/佐合道子/竹村友里/田中知美/中村康平/細野仁美
絵画系:上出惠悟/齋藤まゆ/羽場文彦/葉山有樹/水元かよこ/見附正康/
牟田陽日
伝統再解釈:赤地 健/池田省吾/大樋年雄/戸田浩二/中村卓夫
ポップクラフト(漫画・アニメなど):田辺京子/戸出雅彦/中山昌果/山野千里
2章 ガラス・金工・漆芸
ガラス:扇田克也/小田橋昌代/由良 園/髙木基栄/塚田美登里/松田苑子/
三嶋りつ恵
金工:木谷 洋/坂井直樹/畠山耕治/原 智
漆芸:青木千絵/青木洋介/伊能一三/北村辰夫/田中信行/山岸紗綾/山村慎哉
3章 染織・人形・骨・木
染織:安達大悟/土屋順紀
人形:中村信喬/成田順子/野口春美
骨・木:橋本雅也
巻末 50人の作家プロフィール