花夢中
◆内容紹介
※発刊当時の著者直筆サイン入“17冊”のみの限定販売です。
草月流師範、造形作家、スペース・アーティストなど、多彩な顔をもつ假屋崎省吾初の作品集。
序文
假屋崎省吾君のこと
勅使河原宏
ある日、天井から床までを使って、教室の空間をわがもの顔で独
占している作品にぶつかった。
机上の、与えられたスペースにつつましく生けているほかの生徒
たちの作品が、蜘蛛の巣のように這いまわるフトイの線にまるで
気がねしているようで、かわいそうに見えるのだった。
誰あろう、その作品の主こそ假屋崎省吾であった。
色白でやさしいまなざしの彼に似合わぬ大胆さが、彼の作品の特
長ともいえる。
人間には、どうしても常識の枠におさまりきれないタイプがある。
考えがどんどん飛翔していって、いつのまにか夢の世界をさまよっ
ているのである。
このタイプこそ、まさに芸術の世界にはうってつけなのである。
この人たちの手にかかると、我々はいつのまにか、予期せぬ出来
事に遭遇して緊張し、身の毛がよだち、さては哄笑していたりする。
教室から抜け出た假屋崎省吾は、水を得た魚で、あらゆる空間を
ほしいままに表現している。絵とか彫刻とか、古びた手法と無縁
に育った彼の可能性に、私は大きな期待をよせているのである。
假屋崎省吾の感性の原点を見ることができる一冊。
※表紙や函のスレや焼けが目立つ場合がございます。ご了承下さい。
定価 4,058円(本体3,689円)
著者:假屋崎省吾
ISBN: 4-89737-209-7
Cコード:C2076
判型:A4判変型
頁数:112ページ
発売日:1994/12/20