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2011.12.05

vol.24 想いをのせる、贈り物。

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気が付けば、
今年も師走の季節を迎える時期となりました。


この一年を振り返ってみますと、

日本では大きな震災が起こり、
日本の皆様は
心穏やかならぬ毎日をお過ごしだったのではないかと思います。


海外に住む私でさえも、

日々不安と心配が消えることはなく、
それと同時に
今こうして生きていることが
決して当たり前のことではなく、
どんなに有り難いことであったのかーーー

そんな感謝の気持ちを噛み締める一年となりました。


               ..。。..


今年は
私の主宰するお花の会に、

奇しくも
大震災の直後 アロマクラスを新開設することとなり、
一時は延期も考えたのですが、

意外にもご参加頂いた皆様がーーー
やはり日本にご家族やご友人を持つ方々の
共通の不安やご心配からなのでしょうか、

おそらく通常以上に「香り」というものに
癒しを求められ、そしてそれに癒されて下さったように
お見受けしました。


主宰させて頂く側の私の方が、
あらためて自然の持つ力、香りの持つ効能の大きさというものを
強く認識させて頂きました。


                ..。。..

先日、参加させて頂くことになった
クラフトセールに出展する
香りの物を色々作成している時に、

日本にいる家族や友人、お知り合いの方々のことが
思い起こされました。


少しでも、
自然の物や香りの物で
リラックスされ、一年の疲れを癒して頂きたいーーー。

「香り」の持つ力を思いながら、
物は、まさに
「想いをのせる媒体」であることーーー


ーーー遠く離れた地に住む友人に、家族に、
自分の心そのものを届けてくれる、

正にそれを表現してくれるのが、
「贈り物」というものなのだと
思いました。


                ..。。..

これから、世の中は
益々「心の時代」に入っていくかと思います。


言葉なくして贈る側、受け取る側の心を交わす、
「贈り物」。


「あなたがいてくれて、嬉しい。」「あなたが生きていてくれて、有り難い。」


心を受け取り合い、感じ合う
その幸福を、

私自身、これからもっともっと
楽しみ味わっていきたいと思っています。


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(左)リラックス効果のラヴェンダーや、リフレッシュ効果のミントなどを詰めたサシェ。(右)精油を垂らしたバスソルト。お風呂で良い香りと効能に包まれながら 一年の疲れを癒してほしいと願いながら作成。

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(左)ソルトに、針葉樹の香りを閉じ込めたソルトポプリ。雪の世界をイメージ。(右)ビン越しにエバーグリーンを眺めながら、精油ではない 本物の自然物から漂う香りを届けて。

                ..。。..


次回、今年最後のスローライフインバークレーでは、
このエバーグリーンポプリの作り方を
ご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに。

プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。