ページトップ

目次

2010.03.30

vol.1 ナチュラル・テイストの 子供の誕生日パーティー

1-1.jpg

皆様、初めまして。

この度、カリフォルニアはバークレーから、
スローライフの愉しみをお届けすることになりました、加藤万里と申します。

バークレーでの ナチュラルなエッセンスを取り混ぜたスローライフ、
そして現代にも取り入れられる、
昔から伝わる暮しの知恵やアイデアを季節と共に、
毎月2回ご紹介させて頂きたいと思います。

皆様の暮しの参考にしていただき、
試してみたいというきっかけになりましたら、
とても嬉しく思います。

どうぞ宜しくお願い致します。



さて、春と言えばイースター。

ちょうど私の娘の誕生日がイースターに近いので、
毎年待ちに待った春をお祝いする気持ちと一緒に、
娘の誕生日パーティーを行ってきました。

人生のうちで、夢の中にいられる時代はごくわずか。
夢を見られるうちは、たっぷりとその世界に浸ってもらいたい...

そう思い、子供がまだ小さかった頃の誕生日パーティーでは、
家の裏庭を使ってイースターハンティング
(庭の茂みに卵を隠して探す遊び)
をゲームのかわりに行ったりしていました。

今年10歳になる娘とお友達には、
イースターハンティングもそろそろおしまい。
代わりに、ジュート紐で編んだ小さなミニ・バスケットに
それぞれのお友達のイメージ、
好きな色の石(クリスタル)を娘に選んでもらい、
名札を付けて庭の茂みに隠し、
それを各自探してもらうゲームを思い付きました。

イメージは、森林の中での
「自分だけの宝もの探し」。
木々の多い公園で行っても楽しいゲームかもしれません。

1-2.jpg

お友達の石を選び、名札つけを楽しむ娘。
       

1-3.jpg

バスケットたちは、
明日のために静かに佇んで本番を待ちます。


娘も成長し、こうしてパーティーの準備を一緒にできるのはとても楽しいもの。
また、娘にとっても、
来てくれるお友達ひとりひとりのことを想える、
大事な時間になるのではないかなぁ...と思います。



パーティー当日は、フリーの遊びの他に、
アクティビティ(ゲームなど)を数種類用意しておきます。

体を動かした後は、
手を使う静かな遊び...

子供たちの動きを見ながら、動と静の遊びを巧みに混ぜ込み、
次のアクティビティに誘導するのも主催者(親)の腕の見せどころ。(笑)

まずは、毎年恒例になった「種まき」。
今年は、「カレンデュラ」の花を蒔いてもらうことにしました。

1-4.jpg

育てやすく、花が咲いた後に何かに使える目的があると、
子供も張り合いが出ます。

カレンデュラは、サラダの上に花びらを散らしてエディブルフラワーとして頂けるので、
子供たちも楽しみなようでした。
去年はシュガースナップピー、おととしはナスタチューム。
種が大きめですぐ発芽し、育てやすいもの、おまけで食べられるものを選んでいます。

1-20.jpg

1-8.jpg

またまた体を動かしたその後は、
香りのワークショップ。
今回は、簡単バスソルトとサシェを作ってもらうことにしました。

1-10.jpg

1-11.jpg

1-9.jpg

ドライハーブやお塩は細かいので、
10歳といっても手先がまだ完全に思う通りに動かない子もいて、
作成中には辺りの散乱具合はすごいことに...(笑)。

でも、こうやって手先を使う楽しみを経験してもらえたら嬉しいなあと思います。

そして、部屋中に立ちこめるハーブの香りが
子供時代の楽しい記憶のひとつになっていったら、
それもまた素敵なことだな、と思います。

さて、パーティーの終盤には、
前の日に娘と作成したミニバスケット・ハンティングです。

1-12.jpg

事前に、娘が庭の茂みの色々な場所にバスケットを隠しておき、
号令と同時に、それを一斉にお友達に探してもらいます。

自分の名前のバスケットを見つけたお友達は、各自、娘が選んだ石を眺めながら、
お庭から摘んだ春の小花をその中にアレンジしていきます。

1-13.jpg

出来上がった花摘みアレンジは、中の小石が埋もれて見えなくなるほどに、
エナジーたっぷりの元気な仕上がり。

1-14.jpg

1-21.jpg

1-17.jpg

子供ののびのびとしたアレンジ具合に、
こちらも元気をもらいました。

この子供たちが大人になった時、
春のにおいや お庭の小さなお花たちと一緒に、
こんな平和な一日をおぼろげな子供時代の思い出のひとつとして、
記憶の片隅にしまってもらえたら、嬉しいことです。



親には長く、子供にはあっという間の誕生日パーティーもやっと終わり、
心身共にくたくたなはずなのに、

「来年はもうティーンエイジャーに近くなってしまうから、
どんな手づくりアクティビティが喜んでもらえるのだろう...」

などと早くも想像してしまう私です。


大人である自分の中に眠っている
「夢を見ること...」を、
もしかしたら私自身も娘の誕生日パーティーで呼び戻し、
実現させてもらっているのかもしれないですね。

1-19.jpg

プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。