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2009.07.21

vol.27 細沼光則と行く花紀行・・・またの名をパリ弾丸ツアー(1)

6月26日から、㈱花弘の細沼光則さんと行くパリツアーに同行して来ました。

5回目となる今年のツアーは、これまで以上に充実した内容。
朝から深夜まで、歩いて、見て、買って、飲んで&食べて、の1週間、参加者の方から

「このハードさはまるで弾丸ツアーのよう」

というお声があり、中には「来年からはそう名乗ってはいかがですか?」とのご意見も...。
そんなハードで盛りだくさんな旅の様子を、2回に分けてご報告します。
第1回は郊外編を。

到着翌日、街にあふれる「solde」の文字を横目にパリを後にし、早速シャンパーニュ地方へ日帰り旅行に行って来ました。

昨年、「クロード・カンコー」のエマちゃんの故郷、ブルゴーニュに行きフランスの田舎の素晴らしさを味わった私達・・・(本当のところはすっかり「飲」にハマってしまった私達・・・?)、今年はシャンパーニュの聖地ランスへ乗り込むことに決定、たくさんあるドメーヌの中から、「ポメリー」「ヴーヴ・クリコ」が選ばれました。

忘れもしない私が生まれて初めて飲んだシャンパーニュがポメリーでしたが、そのドメーヌに、数十年を経て訪れることが出来るとは・・・。

ところが、ガイドさんから、

「今回選ばれた2つは「未亡人」つながりですが、それで選んだのですか?」

という質問にビックリ!「え~?!そうだったの~?!知らなかった~!」。

「ヴーヴ・クリコ」のVeuveはフランス語で「未亡人」のことで、つまり、未亡人となったマダム・クリコの名を冠したもの。
そして、「ポメリー」もまた、若き未亡人「ジャンヌ・アレクサンドリーヌ・ルイーズ・ポメリー」(長い!)が、夫亡き後、事業を引き継いで世界に名立たる企業に作り上げたとのこと。

55ヘクタールにもおよぶ広大な敷地にはエリザベス王朝様式の建物が数棟建ち並んでいて、まずその姿に圧倒されました

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建物の中に入ると「ストローでも飲める」が謳い文句のシャンパーニュ「POP」の看板があちらこちらに。

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日頃からボトルのイラストのカワイさに惹かれギフトとしてしばしば利用していますが、星座と国旗をテーマにしたボトルも早速欲しくなってしまいました。

お花はあまり飾られていなかったのですが・・・レセプションのアレンジメントは、シャクヤクやバラ、マムがぎっしりとアレンジされたもの・・・お花のツアーですから、忘れずに撮らないと!

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さて、いよいよ見学がスタートです。
いきなりの衝撃は地下のカーヴへとつながる116段の階段
まるで異空間へと吸い込まれて行くような階段の壮観なこと!
両サイドのライティングが幻想的なイメージを醸し出しています。

10℃に保たれたカーヴは2500万本のシャンパーニュが貯蔵されているそうですが、最も古い1874年のボトルはさすがに鉄柵の中にありました。

ポメリーのメゾンで印象的だったのが、ところどころに飾られているモダンアートです。
現在のオーナー夫人はモダンアートがお好きで、定期的に展示されているとのこと。若き芸術家達のパトロンでもあるのですね。

中でも、カーヴに眠るシャンパーニュのボトルのように、黒く煤けたような「ノアの方舟」が印象的でしたが、暗がりの中、目を凝らして見ると方舟の中にサッカーボールがありました!
サッカー好きの私が、もし方舟に乗せられるだけのものを選べと言われたなら「H」のバッグに混じって、このコラムの第22回でもご紹介したサッカーボール型のバッグを選ぶことでしょう・・・。

その他、ギターやキーボードのオブジェが飾られた空間には、小鳥が30羽近く放たれていて驚きました。

以前、メゾン&オブジェのブースで生きたフクロウが飾られていた時にもビックリしましたが・・・。
皆さんにお写真をご覧頂きたいのですが、カーヴ内はお写真撮影禁止で...残念!

見学のあとのお楽しみは試飲タイム、そしていよいよショッピングタイムです。
たとえ「飲」の場でも、「花」は忘れません!
何かフラワーアレンジに使えるものはないか・・・?
と思ってしまうのは、もう職業病以外の何ものでもありませんね。

そこで見つけたのがこのクーラーピンクライムグリーンの文字の組み合わせはまさに私好みで、パリ風の花束を入れるのに使えそう・・・大きさに臆することなく購入しました。

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そして、もう一つ、ピンクのラインストーンがかわいいTシャツも購入。
細沼さんのお嬢さん(11歳)とお揃いです!
(この時には・・・まさか、今回の旅の私物買いがこれだけになるとは夢にも思っていませんでしたが・・・)

お次は「クリコ未亡人」のお宅へ・・・。
建物に入って驚いたのは、この女の子のシルエットです。

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このコラムの第24回でご紹介した3人の女の子のシルエットにそっくり!
今、パリではこのようなシルエット風のステッカーが大流行ですが、その流行をこうして取り入れているのはさすがですね。

そして、コーポレートカラーであるオレンジのアクリルを使った椅子やシャンデリアが印象的でした。

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こちらは、ディスプレイされていたフラワーアレンジメント。

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そして、シャンパーニュを照らすライトのシェードもオレンジです。

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「ヴーヴ・クリコ」はLVMHグループの傘下にあるとのことで、邸内全体がより洗練された印象で、コーポレートカラーのオレンジピンクがあらゆるところに配されていました。
ドメーヌ訪問前にランチをいただいた「au Petit Comptoir」のお料理や内装も素晴らしかったのですが、場所柄美食家が通うレストランも多数点在しているとか・・・。
次回はぜひゆっくりと滞在してみたいものです。

翌日は、「クロード・カンコー」にてセドリック&エマ夫妻のデモンストレーション。

その様子はその2市内編でご紹介するとして、その後、彼らと行ったランチの場所がそれはそれは素敵でした。

パリ在住のコーディネーター、下田あゆみさんご推薦の「Les Etangs de Corot」というこのホテル。

市内からヴェルサイユ宮殿方面に向かってわずか15分で行けるところと聞いていたのですが・・・。
パリの郊外にこんな素晴らしい場所があるとは!

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そのEtang(池、湖沼)の名の通り、池をのぞむロマンチックな風景や、アジサイやバラが咲き乱れたガーデン、オープンエアのコロニアル風テラス・・・は、まさにコローの詩的な風景画を思わせる佇まいで、心地良い風に触れながらいただいたランチにいたく感動しました。

コローの絵が飾られたレストランやガーデンに面したカフェはまた異なる雰囲気。spaも評判と聞きましたので、お花の美しい季節に訪れて次回はぜひとも宿泊してみたいと思います。

その2では、「クロード・カンコー」でのデモンストレーションの様子や、市内の「花」「食」についてご報告します。お楽しみに!!

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プロフィール

三代川純子

フラワーデザイナー

三代川純子

三井物産株式会社人事部勤務中に恵泉フラワースクールで学び、退職後、フラワーデザインを学ぶため渡英。

「コンスタンス・スプライ」「ジェーン・パッカー」などにてディプロマ(卒業証書)を取得した後、英国王室御用達フローリスト「エドワード・グッドイヤー」にて修業。
また、パリのフルリスト「パトリック・ディヴェール」「リリアンヌ・フランソワ」にても研修を行う。

フラワーデザイナーとして、雑誌「花時間」などで多くの作品を発表するかたわら、ホテルオークラ レディースサークル(現在、ホテルオークラ本館建て替えのため休会中)では、ヨーロッパで自ら買い付けて来た資材を使いレッスンを行っている。

また、「Hanahiroプリザーブドフラワー・アカデミー」の主任講師も務める。